双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「きょうはどこにあそびにいくのー?」

「陸、今日はね、遊びにいくんじゃないんだよ。この間少しお話したけど、お引越しなんだよ」

 そう伝えると、今度は海が「おひっこしって、あたらしいおうちってこと?」と訊く。

「うん、そうだよ。着いたら、またふたりにもお話するからね」

 声を揃えて「はーい!」と返事が聞こえてきて、黙って運転してくれている勇信さんを呼んだ。


「勇信さん。今日、新居に着いたら子どもたちにちゃんと話したいと思って。勇信さんが、ふたりのパパだっていうこと」


 いいタイミングが見つからないまま、結局今日まできてしまった。

 さっきも出迎えのとき『おじさん』と勇信さんを呼んでいた。


「そうだな。この間、挨拶に行ったときも子どもたちとはほとんど話せる時間もなかったから」

「はい。でも、今日から新生活になるわけですから、ちょうどいいタイミングかもしれません」


 新しい住まい、そして、勇信さんが父親だということを子どもたちはすんなり受け入れてくれるだろうか。

 チャイルドシートで楽しそうにしているふたりにちらりと目を向け、わずかな不安を抱えながら東京へと向かった。

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