双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「陸、海、今日は奥の広場でミニSⅬにも乗れるから行ってみるといい」
ふたりが揃って目を大きくし、「ミニSL!?」と食いつく。
「そう、小さな汽車に乗れるんだ」
乗り物と聞くと陸も海も大喜び。今すぐ行こうと私と勇信さんを掴んで引っ張り始める。
「じゃあ、行ってみるか」
勇信さんが案内すると言ってくれたとき、向こうから「砂羽一尉」と作業服に身を包んだ隊員が勇信さんの元に駆けてきた。
なにか業務についての連絡だろうか、私たちから少し離れて真剣な面持ちで話をしている。
しばらくすると勇信さんはひとり戻ってきて、「希穂」とさっきとは一転した無の表情で私に向き合った。
「急な招集がかかった。子どもたちを連れていけなくて申し訳ない」
「いえ、お仕事なら仕方ないです」
「ああ、悪い。それから、今晩は帰りが遅くなると思う」
勇信さんはそれだけを言うと、木佐貫くんと共に足早に私たちの元を離れていった。