双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「ただいま」

 気のせいか、どこか噛みしめるような声に不安が募る。

「勇信さん……?」


 呼びかけにほんの少し抱きしめる力が強まる。腕を解くと私の背に手を添えてリビングへと入っていった。

 リビングでは、見ていたニュースが依然として流れている。

 勇信さんは黙ってリモコンを手に取り画面を落とした。


「希穂、伝えないといけないことができた」


 勇信さんが切り出した言葉で、まさかという思いが確信へと変わっていく。


「しばらく、帰れなくなる」


 もしかしたらという思いが膨らむ中で、ある程度心構えをしてこの言葉を受け止めたはずだった。

 でも、押し寄せてくる強大な不安が胸を圧迫し息苦しさを感じる。同時に動悸を感じ始め、無意識に胸元を手で押さえた。


「もしかしたらって、少し思っていました」


 こう言うだけで精一杯で、なんとか平常心を保とうとゆっくりと深く呼吸を繰り返す。「守秘義務で、身内にも詳細は伝えられない。でも、近く出発する」

 どこへ、どのくらいの期間、そういったことは家族でも詳しく知ることはできない。

 人によっては、ある日突然、なにも告げずに任務に向かっていく隊員もいると聞いたことがある。


「やっと、こうして一緒に暮らせるようになったのに」


 どこにも向けられない、やるせない思いがあるのだろう。勇信さんは小さく「ごめん」と口にする。

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