双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


 営業所を出て十分もしないうち、午後の目的地が見えてくる。

 煉瓦作りの門に書かれた〝陸上自衛隊、練馬駐屯地〟の金文字を目に、自然と気持ちが引き締まる。

 長谷川さんは作業車を半分だけ開けている門から入れ、降車して入り口すぐにある管理室に向かった。

 向こうのほうには、迷彩服の隊員の姿がちらほら見える。


「ここで話し通して、奥の駐車場に停めてから、一旦受付にも顔を出してから作業開始。今日はボイラー室を見るから、脚立を持っていく」

「わかりました」


 ビルメンテナンスの仕事はそれなりに肉体労働だ。

 設備によっては脚立などで上がり高所での作業もあるし、仕事内容によっては重い物を運んでいくことも珍しくはない。

 脚立なんかはよく担いで階段を上がっているから、私の腕の筋肉は自然と育っていると思う。

 駐車場に車を停め、長谷川さんと共に受付へと向かう。これから担当で回る旨を挨拶し、車に機材を取りに戻った。

 訓練だろうか、どこからともなく隊員たちの声が響いてくる。

 長谷川さんに続いて設備室のある入り口に回っていくと、向こうに多くの隊員たちが集まっているのが見えた。

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