双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


 ふと、半年前の出来事を思い出す。

 災害ボランティアで帰った地元で、多くの陸上自衛隊の人々が被災地を支援していた。

 こうして日々訓練に汗を流し、災害があれば駆け付けて復旧活動に尽力する。

 有事があれば最前線でこの国を守る日本最大の防衛組織。本当に頭が下がる。


「いやしかし、この真夏にご苦労様だな、自衛隊員は」


 訓練を行う隊員の姿を遠目に見ながら、長谷川さんが言う。

 当たり前に尊敬の感情がありながらも、自分には無理だな、理解し難いな、という感情も感じ取れる。


「本当ですね。普通の人にはなかなか就けない仕事です」


 自衛隊には女性だっている。

 もしも私が自衛官になるかと選択をせまられたら、きっと難しいと思う。

 肉体的にもだけど、心がきっとついていけない。

 あそこにいる人たちは皆、強い信念の元で自衛官となり職務を全うしているのだろうから。

 迷彩柄の作業服を見ていると、遠い記憶がぼんやりと蘇ってくる。

 飛び込んでいった私を受け止め、抱き上げてくれた大きく頼もしい姿。

 ドーランを塗った顔が優しい笑みを浮かべて、出迎えた家族を見つめていたこと──。

 あそこにいる人たちにも、それぞれ大切な人がいるに違いない。

 心の中で敬意を表し、自分は自分の分野でしっかりとここでの業務をこなしていこうと思った。

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