双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「冴島ちゃん、地下鉄まで大丈夫? 送るから」
「大丈夫です! すぐ乗り口ありますから」
長谷川さんが気にかけてくれているところを丁重にお断りし、課のメンバーに今日のお礼を言って雨空の下に出ていく。
折り畳み傘ではそのうちしなって折れるのではないだとうかと思うほどの豪雨に、足元が濡れるのを気にせず小走りで地下鉄の乗り口を目指した。
いつも歩いているアスファルトの歩道も、川のような勢いで水が流れていく。パンプスもくるぶし辺りまで雨水があたっているほど凄まじく、さすがに不安を感じる雨量だ。
こんな勢いで雨が降っていれば、交通にも影響が出ているかもしれない。
風も時折吹き付け、体もあっという間に湿っていく。折り畳み傘ではもはやほとんど意味がなく、今にも強風がくれば吹っ飛んでいきそうだ。
やっとの思いで地下鉄の乗り口までやってくると、地下へと降りていく階段へと容赦なく雨水が流れ込んでいる。
「嘘でしょ……」
ついそんな独り言を呟いてしまうほどの光景で、呆然とする。階段はもはや滝のような状態だ。
もうすでに足は諦めた状態だけど、ここを下っていくのはそれなりに勇気がいる。