双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
地下鉄はちゃんと機能しているのだろうかと疑問と心配を抱きながら、手すりを掴んで一段ずつ階段を降りていく。
階段の下から、幼稚園生くらいの幼い男の子を抱っこして、もうひとり小学校低学年くらいの女の子を連れて階段を上がってくるお母さんがいて、大丈夫だろうかと勝手に心配になる。
足元にすごい勢いで雨水が流れてくるため、子どもを抱いた状態でも普段通り歩けないのだろう。
「あっ! バッグがー!」
もうすぐすれ違うというほど接近したとき、抱っこされている男の子が自分で手に持っていたお稽古バッグを放してしまい、階段に落ちてしまう。
「えぇ!? なんで手から放しちゃうの!」
お母さんは足を止めて振り返り、腕の中の息子に抗議する。
子どもを抱いたまま、落ちたものをこの滝のような階段で拾うのは困難を極めると思い、無意識のうちに落としたバッグを拾いに向かう。
この数秒でお稽古バッグは水に浸かったように濡れてしまったけれど、男の子の手に無事に返した。
「すみません、ありがとうございます!」
「いえ、大丈夫ですか?」
「はい、すごい雨で驚きました」
自分ひとりでも大変だと感じていたのに、幼い子どもを連れてでは大変さが何十倍も違う。