双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「階段、危ないので一緒に上がりますよ。滑ったら大変です」
連れているほうの女の子も、不安そうな表情でお母さんのスカートを掴んでいる。
「すみません、ありがとうございます!」
付き添うようにして階段を上がり始めたとき、女の子が水に足を取られ体勢を崩した。
驚いて咄嗟に手を伸ばし、女の子を支える。しかし、今度は私が足を滑らせ、単独で階段に膝をついた。
「大丈夫ですか!?」
お母さんが声を上げる。私が支えた女の子も驚いたような顔をして私を見下ろした。
「はいっ、すみません」
そんな状況の中、階段の上から「大丈夫ですか」と男性の声が聞こえた。
手すりに掴まってなんとか体勢を持ち直そうとしていると、上からふたりの男性が階段を駆け下りてくる。
軽やかな足取りは、このゲリラ豪雨をものともしない様子で目を奪われる。
先に下りてきた男性が、お母さんと動けなくなっている女の子に手を貸す。
助けてくれる人が来てくれてよかったと良かったと思っていると、もうひとりの男性が私に向かって「立てますか」と訊いた。
「はい、大丈夫です。立てます」
そうは言ったものの、足に思うように力が入らない。階段に膝をついた拍子にもしかしたら痛めたのかもしれないと思いながら、手すりを掴む手に力を込めてなんとか立ち上がった。
こんなところで知らない人に迷惑はかけられない。
「すみません、ありがとうござい──」
親切にしてもらったお礼の言葉が、目の前の人を見上げて途絶える。