双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
私がこの町に越してきたのは、中学生の頃。
高校卒業までの六年間住んでいたけれど、その当時からあった家や店が地震の被害を受けていたりするのを目のあたりにし、毎日なにかしら心を痛めている。
ここに来てから改めて震災の怖さ、やるせなさを感じながら日々過ごしている。
そんな景色の中で、自分が育った実家が元の形で残ったことは、少なからず救いではあった。
中学に進学すると共に引っ越してきた建売の戸建。白い外壁の実家は、私が東京に出ていった頃と特に変わらない姿で地震後も残っている。
「お疲れ様、入んな」
インターホンを鳴らすと、玄関から顔を出したのは姉の千帆。
私より六歳年上の姉は、三十二歳。
子どもの頃からよく似ていると言われてきた姉とは、大人になってからは双子に間違われたこともあるくらいよく似ている。
お互いに猫毛の緩い天然パーマのボブスタイルで、日焼けですぐ赤くなる色白の肌。
くっきりとした二重瞼は母から譲り受けたもので、鼻と口は小さく特徴が薄い。
唯一身長だけが少し違い、姉が百六十ないところ、私は百六十五センチと少し大きい。
「ただいま」
ボランティア活動でこっちに帰ってきて、一度だけ状況を見に実家には顔を出した。
地震が起きるまで、この家には母がひとりで暮らしていた。