双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「冴島さん、あまり飲まないって言ってましたよね。なににします?」
この間送ってもらったとき、歓迎会だったという流れでちらっとそんな話をした。覚えてもらっていたようだ。
「そうですね……でも、少しは飲みます。砂羽さんはなににしますか?」
乾杯は同じものを飲もうと思い、砂羽さんに尋ね返す。
「俺は、生にしようかな」
「じゃあ、私も同じにします」
「ビールは大丈夫?」
「はい。乾杯はやっぱり生ですよね」
だいたい会社の飲み会でも乾杯は生ビールですることが普通で、いつの間にか一杯目はピールというのが当たり前になっている。
取り立ててビールが好きというわけではなく、どちらかというとあの苦みをぐいぐい飲めはしないから、一杯目を終えるのがひとりだけいつも遅いのがデフォルトだ。
「無理して合わせなくてぜんぜんいいよ。会社の飲み会じゃないし、好きなもので乾杯すればいい」
砂羽さんは「どういう系なら飲みやすいとか……」と、ドリンクメニューを手に取り眺める。
「どういう系……考えてみれば、あまり得意じゃないとか言って、ビール以外は飲まなかったりしてよくわからないです」
砂羽さんはどこか不思議そうな顔をして「え? どういうこと?」と言う。
「一杯目を飲み終わるのが遅くて、やっと飲み終えた頃はもう次はソフトドリンクでってなっちゃうんです。だから、他のお酒ってあまり飲んだ経験がなくて」
「それはもったいない。じゃあ、今日は飲んでみたいのを一杯目に飲んだらいいと思う」
そんな風に提案されて、「そうですかね……」とドリンクメニューを眺める。