双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「美味しそう」
「すごいな、フルーツの量が」
砂羽さんは「じゃあ乾杯」とビールのグラスを手に取る。それに倣って「乾杯」とグラスを手に取った。
「……すごい、ジュースみたいに飲みやすいです」
初めて乾杯でビール以外を飲んでつい声が弾む。
そんな私を目にした砂羽さんはグラスをテーブルに置きながらふっと笑った。
「これは監視してないと飲みすぎになるやつだな」
「あっ、飲みやすくてついってやつですね。気をつけないと……」
いつもはビールで苦いという苦手意識があるから進みも悪くて酔っぱらうことはなかっただけ。こんな美味しかったらごくごく飲んでしまいそうだ。
調子に乗って飲んで気持ち悪くでもなったら迷惑をかけるから、注意しないといけない。
「でも、なんか不思議だな。被災地で会った冴島さんと一緒に飲んでいるなんて」
砂羽さんの言う通り、向かいにいるのが被災地で会った迷彩服を着ていた人だというのは信じられない。
あのとき、また東京で再会するとも、ましてこうしてテーブルを囲むとも思うはずなかった。
「本当ですね。なにかの縁なのかもしれないですが、不思議ですね」
「あれから、ご実家は落ち着きましたか」
「はい、お陰様で。震災後、すぐに災害支援に来ていただいて、ありがとうございました」