双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「はい。小学生まで関西のほうにいました」
私からの返事を聞いた砂羽さんは黙って視線を泳がせる。そして「じゃあ……」とまた私と目を合わせた。
「同じ地震を経験してるってことになるわけだ……」
「え……? 同じって、砂羽さんも?」
「俺も、あの当時関西に住んでいたんです。中学のときに被災して」
また重なった偶然に言葉を失う。
中学生だった当時の砂羽さんも、あの震災の被災者だった……?
「まさか、そんなことまで縁があるなんて」
砂羽さんは弱ったように笑う。
互いに決していい思い出ではないから、私のほうも控え目に笑って「ですね」と応えた。
ドリンクと一緒に砂羽さんが注文してくれた料理が運ばれてくる。炙り合鴨のサラダに、アサリの酒蒸し、玉子焼きがテーブルに並んだ。
スタッフが「こちらお使いください」と置いていった取り皿を手にして、まずはサラダを取り分けていく。
先に砂羽さんの前に置くと、彼は丁寧に「ありがとう」とお礼を口にした。
「私の父、実は砂羽さんと同じ陸上自衛隊員だったんです」
「だった……?」
過去系で打ち明けられて、砂羽さんの反応はもうこの続きを察しているのかもしれない。
だから極力場が暗くならないように、敢えて笑みを浮かべてみせた。