双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


「その日は試験休みで母親とふたりで家にいて、自宅で被災して。母親と俺と、倒壊した家の下敷きになったんです。自衛隊の救助がくるのに、二日近くかかった」


 当時のことが思い出されていく。

 砂羽さんだってこんな風に話しているけれど、まだ中学生だった頃、怖くて不安で絶望したに違いない。


「自分が助け出されて、その後に母親が。でも、家の一階にいた母は助からなかった」


 話を聞いているだけで胸が押し潰されるようで、息苦しさを感じてくる。

 砂羽さんは、グラスを呷りビールを喉に流し込んだ。


「悔しかった。まだ、中学生だった自分には到底受け入れられない現実で……」


 その思いは、私にもよくわかる。

 震災の災害派遣で被災地に行っていた父は、地震による二次災害で命を落とした。

 天候不良の中で活動を続け、地震によって被害を受けていた山が崩れ落ちその土砂で犠牲となったのだ。

 災害やなにか有事があった際、最前に立ってこの国を守る自衛隊員。

 父の死は、名誉の死であることは間違いない。

 でも、幼い私は父が亡くなったことがいつまでも受け入れられなかった。

 私にとっては自衛隊員である前に、たったひとりの父親だったから。

 お父さんにもう会えないという現実は、到底信じられるものではなかった。

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