双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「そんな……お礼をしなくちゃいけないのは私のほうですから」
二度も助けてもらった上にご馳走になっているなんて意味がわからない。
「冴島さん、本当にいいから」
砂羽さんは私の手に持つ財布をバッグにしまうように手を掴む。押し込むようにされて、渋々財布をしまう羽目になった。
「私、今日はそういうつもりで来たんじゃないんです。こんな、ご馳走になってしまうとかは……」
「あ、じゃあ代わりと言ったらあれなんだけど、頼み事をしてもいいかな」
「頼み事?」
となりを歩く砂羽さんを見上げる。
砂羽さんは私を見下ろし「そう」と頷いた。
「木佐貫から、東京案内してほしいと頼まれていて。彼女と一緒に連れて行ってほしいと言われているんだ」
木佐貫さんの彼女とは、駐屯地イベントで会ったあの子だろう。
木佐貫さんと砂羽さんは地元が同じだと言っていたから、木佐貫さんは関西から出てきたばかりということ。
若いカップルから、東京を案内してほしいと頼られているようだ。
「もし都合があったら、冴島さんに同行してもらえないかと思って」
「えっ、私が、ですか?」
思わぬ誘いを受け訊き返す。
「こういうのって、女性のほうが詳しそうだし、力貸してもらえないかなと」
「え、でも……私、結構引きこもり体質なんですけど、役に立ちますかね?」