双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「あっ……」
以前、あの豪雨のときに送ってもらった黒い高級SUV車。その前に降りている砂羽さんの姿を遠目に見つける。
後部座席のドアを開けて、そこに木佐貫さんと瑠南さんが乗り込む姿が見えた。
自分待ちになる状況に自然と小走りになる。
近づいてきた私に気づいた砂羽さんが「冴島さん」と呼びかけてくれた。
「おはようございます。すみません、遅くなり」
「ぜんぜん。俺も今来たところで、ふたり乗せて。タイミングいいです」
今日はテーパードのインディゴデニムにブラックの薄手ニットというシンプルカジュアルなコーディネートの砂羽さん。
背が高くスタイルがいいから、どんな服装でも様になって素敵だ。
「冴島さんは前で」
「あ、はい」
砂羽さんが助手席のドアを開けてくれる。
前回同様に「お邪魔します」と呟いて乗車した。
「冴島さん! おはようございます!」
腰を下ろした途端、後部座席からハキハキとした元気のいい声。
振り返ると木佐貫さんが「お久しぶりです!」とにかっと歯を見せて笑う。
となりにいる瑠南さんも「おはようございます」とにこりと微笑んだ。
「おはようございます。以前はイベントの場で、ありがとうございました」
砂羽さんに言付けてもらった一件のお礼を伝えると、木佐貫さんは「いえいえ!」と明るく笑い飛ばした。
そんなやり取りをしているうち、砂羽さんが運転席に乗り込む。