双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「希穂さんは、お付き合いされている方いないんですか?」
話の流れから瑠南ちゃんが私にデリケートな話題を振ってくる。
自分が軸のそういった話題に免疫がなく、「いないの!」と即答する。
「そうなんですか! お綺麗だから絶対いそうなのに」
お世辞にもそんな風に言ってくれる瑠南ちゃんに「そんなことはぜんぜん!」と笑って応える。
「砂羽一尉もこんな男前なのに独身貴族貫いてるしなー。おふたりとも、勿体ないっす!」
木佐貫くんからさらっと出てきた言葉で、砂羽さんにお相手がいないことを再確認する。
ひとりでに鼓動が反応してトクトク鳴り始めた。
「あ、これはもう、素敵なふたりでくっついちゃったらどうですか?」
木佐貫くんがそんなことを言い出して、反射的に「えぇ!?」と声が出る。
瑠南ちゃんも「素敵!」なんて同調して、若いふたりにたじたじになってしまう。
「おいおい、年上を煽るな。俺はいいけど、冴島さんを困らせるなよ」
砂羽さんがやんわり大人な対応で木佐貫くんを制する。木佐貫くんは「はい! すみません!」とまるで任務中を思わせる調子で謝った。
雑談の中の冗談なのに、あからさまに動揺して焦る。もう少し余裕でいられるようになりたいけど、人生経験的になかなか難しい。
なるべく顔に出さないように努めながら、盛り上がる車内の会話に身を任せた。