双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
「今日も、都合を訊くのちょっと迷ったんです。クリスマスとか特別な日の予定を伺うのはいかがなものかと。訊いてみて、予定があるって言われたら、それはそれでショックだろうし」
「そうだったんですか」そう言いながら、ショックなんて言う砂羽さんの真意に迫りたくなる。
もちろん訊くことはできず、ただ落ち着かない鼓動が主張をする。
「ぜんぜん、予定とかは。東京に出てきてから、クリスマスは毎年ひとりでひっそりと過ごしてます。去年は、仕事後にひとりでレイトショー行って、ケーキ買って帰って食べました」
去年のクリスマスの話をすると砂羽さんは「えっ」と驚いたようなリアクションをとる。
「本当に? 希穂さんがクリスマスにひとりで映画……」
「本当ですよ。ちょうど、観たかった映画が公開された直後っていうのもあったんですけど」
「いや、一緒に過ごす相手がいたり、誘われたりするとばかり思っていたから」
砂羽さんが私に抱いているイメージと自分自身の状況がまったく一致していなくて、「いえいえ」と笑いながらはっきりと否定する。
「それなら、思い切って訊いてよかった」
目を向けた運転席で砂羽さんが端整な顔で微笑みかけてきて、また私の心臓は大きく音を立てた。