双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す


 その後、車を降りてけやき坂に出て三十分ほどイルミネーションを見て歩いた。

 通りは多くの人で賑わっていた。クリスマスイブの土曜日、すれ違っていくのはカップルばかり。

 そんな中を砂羽さんと横に並んでイルミネーション通りを歩いた。

 それから向かった先は、六本木に聳えるラグジュアリーホテル。この中にあるフレンチレストランを予約してくれたという。


「六本木のイルミネーション、ちゃんと見に来たの初めてでした」


 ホテルのバレーパーキングに車を預け、エントランスから目的のレストランを目指しながら観てきたイルミネーションを振り返る。

 テレビやネットで見てきれいだなと思っていたけど、イルミネーション期間にこうして実際に観にくるチャンスはこれまでなかった。


「俺も初めてでした。動画で見てきれいだと思ったけど、生で見るのは迫力が違う」

「本当ですね。すごくきれいでした」


 砂羽さんが予約してくれたフレンチレストランは、ホテルの二階に位置する。

 落ち着いた照明の厳かな雰囲気の受付には、黒服のスタッフが立つ。

 砂羽さんが予約をしている旨伝えると、席へと案内する前にコートを預かると言われた。

 スタッフに先導されて向かうフロアには、テーブルセッティングされている席が広く間隔を置いて設置されている。バーガンディーカラーのテーブルクロスが敷かれた席には、すでに客がついているテーブルもあれば、まだ空席のテーブルもある。

 案内されたのは全面の窓際が近い開放的な席だった。スタッフが私から椅子を引いて着席を手伝う。

 プレートに美しく折りたたまれているナフキンと、きちんと並んだカトラリーの脇、ドリンクメニューが置いてあった。

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