双子パパになった不屈の自衛官は飽くなき愛で純真ママを取り戻す
クリスマスツリーの抹茶タルトにナイフを入れていると、手が止められる問いかけをされた。
プレートの上から視線を上げると、砂羽さんの切れ長の目がじっと私を見つめている。
目が合った瞬間、鼓動が大きく音を立てた。その拍動を感じながら、自分の心に素直になって口を開く。
「はい、私でよければ、ぜひ」
ものすごく嬉しい。でも、その気持ちを全面に出していいものかわからず、こう言うだけで今は精一杯。
砂羽さんは目を伏せふっと笑う。
「私でよければなんて、希穂さんだから言ってるのに」
彼がこんな風に言ってくれるのはなぜだろう。私が考えるほど深い意味なんてないのかもしれない。
それでも期待してしまう気持ちが見え隠れするのは、砂羽さんに心を奪われ始めている証拠。もう自覚している。
「希穂さん、まだ時間は大丈夫?」
そろそろコースの食事も終わる。時刻は二十時半をまわったところだ。
「はい、大丈夫です」
「それなら、もう少し時間もらえませんか? まだ話し足りないな、と」
「それは、ぜんぜん構わないです」
むしろ嬉しくて心が躍る。
このディナーが終われば今日の約束も終わり。もうすぐお別れの時間だと、刻々とその時が近づくのが恨めしかった。
まだもう少し砂羽さんといられると思うと気持ちは舞い上がる。
砂羽さんは「断られなくてよかった」と笑い、ディナーを終えたらこのホテル内にあるラウンジに行こうと言った。