推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜

「…………」

「…………」


ミシュリーヌもオレリアンに気持ちがないため、彼にどう思われてもどうでもいいのだが、正直なところを言えば間違えて欲しくなかった。
それに明日は月に一、二度ある第二騎士団の公開練習だ。
ミシュリーヌの心配事は一つだけ。

(推し活のことを否定されたらどうしましょう……)

実はミシュリーヌには日本で暮らしていた前世の記憶がある。
小さな頃から重い病で病院で過ごして、ほとんどベッドから出ることができなかった。
唯一、できることといえば画面越しでの推し活だけ。
苦しい治療を乗り越えたのは推しが心の支えになってくれたからだ。

本当はもっともっとやりたいことはたくさんあったが、結局死ぬまでは病院から出ることはできなかった。

(健康だったら、人生が変わっていたのかな……)

普通に生活できること。そのことがうらやましくて仕方なかった。
ライブに行ったり、グッズを買いに行って、推しについて語り尽くしてみたかったという未練を残したまま病で命を落としたのだが……。
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