推し活スポンサー公爵との期限付き婚約生活〜溺愛されてるようですが、すれ違っていて気付きません〜
「ねぇ……お父様、どうするの?」
「確認をしたいが我々が間違いを指摘するわけには……もし本当にミシュリーヌ宛てだとしたら……だが、うーん」
ミシュリーヌはクロエの影に隠れて、特に話題も上がることもない平凡な令嬢だ。
わざわざミシュリーヌを選んだとなると、その理由もまったくわからない。
クロエと勘違いした、ということは本当にないのだろうか。
ということは、名前を書き間違えた線が濃厚だろう。
そう思い、納得していたのだが……。
しかし第一騎士団の騎士団長アントニオのメモ入りである。
『ミシュリーヌ嬢、オレリアンを頼む』
所々、紫色の液体で汚れた紙。
ガタガタの字のメッセージ本人かは疑わしいが、わざわざ悪戯でアントニオの名前を使うことはないだろう。
(……やっぱりクロエとわたしの名前を間違えたのかしら)
ミシュリーヌも父もさりげなくクロエではないかと確認しようとしていたが、運が悪いことにがオレリアンは騎士団の仕事で急遽隣国へ行っていて確認ができない。
これ以上、こちらにはどうしようもない状態に困惑。
オレリアンはなるべく早めに返信が欲しいと書かれていたため、隣国から帰ってくるまでには決断するべきなのだろう。
乱雑な字ではあるが、しっかりと必要な部分は書き込まれていた。
諦めたのか父は吹っ切れたのかミシュリーヌの肩に手を置いた。