敵国の王に囚われた皇女は、愛に溺れる
胸の奥に熱い怒りが込み上げる。

馬に飛び乗り、手綱を引くと一気に駆け出した。

「退くな! 向かうんだ!」

前線へ向かう私の声に、振り返った兵たちの視線が集まる。

恐怖と疲労に覆われたその目に、わずかな光が宿ったのが見えた。

「まだ動ける兵士は、私に続け!」

鋭く響いた命令に、数名の兵が武器を握り直す。

「おおおっ!」

雄叫びとともに彼らは走り出し、私も馬上から剣を構え、彼らと共に前線へ突き進んだ。

遠くで翻る敵の旗、その向こうに、この戦の行方を握る者の影がある――そう信じて。
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