ホンモノはどっち?〜僕と君の証明〜
「俺と一緒の学校行きたいんだろ?もうちょっとだけ頑張ろうぜ。学年で一番悪い成績だったギャルでも難関大学に合格できたんだ。向日葵にもできる!」

伊織は励ましてみたものの、向日葵はツンと明後日の方向を見たままだ。伊織はパンフレットを広げ、学校行事のページを見せる。

「ほら、見てみろよ。修学旅行は九州だって。熊本城見たり、ハウステンボス行くらしいぞ。九州、俺も向日葵も行ったことないから楽しみだよな〜。あと、語学留学もできるらしい。アメリカに行けるみたいだぞ!」

「……もうちょっと頑張ってみる」

向日葵の目に少しずつやる気が戻っていく。伊織は安堵しながら向日葵に勉強を教えるのを再開した。数学の問題を出し、向日葵に解かせていく。一つ一つを丁寧に教え、わからないところをわかるようにする。

(向日葵と一緒の学校に行きたいからな……)

保育園からの幼なじみである向日葵の近くに伊織はいつもいた。いつも目が離せなかった。いつの間にか、向日葵が好きなのだと自覚した。そして、両想いだと知った。
< 3 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop