Devil's Night
「う……」
静かに重ねられた唇は意外なほどやわらかく、温かい。そのまま唇を合わせているうちに、硬直したようになっていた全身から力が抜け、頭がぼんやりしてきた。
初めてのキスなのに。しかも、無理やり奪われているのに。……恍惚としていた。このままカイに身を任せてしまいたくなるような心地よさを感じ、思考回路がマヒしていく。
――催眠?
違う。私の中に誰かがいる。その誰かが、カイを受け入れようとしている。全身全霊で。
生まれて初めて、私は、自分の中に別の人格があることを感じた。