Devil's Night
 
 自分の悲鳴が天井に響いた。


 夫と捜査官たちが飛びこむようにダイニングへ入ってくる。


「陽人!」


 夫がうつ伏せになっている陽人を抱きかかえた。ぐったりしている陽人の手から、食べかけの菓子パンが落ちる。それを見た捜査官のひとりが、夫の腕から子どもを取り上げ、背中から抱くようにしてみぞおちの辺りをグッグッと圧迫した。


「ケホッ」


 小さな口から、微かな咳と一緒にパンの塊が吐き出された。
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