Devil's Night
 
 その夜、ベッドに横たわったまま眠れない私の背中を撫でながら、夫が言った。


「美月。陽人を連れて日本へ帰ってくれないか」


 理解できなかった。


「どうして? 絵莉花が見つからないのに、なんで私と陽人だけ……」


 夫は苦痛の表情を隠すようにうつむいた。


「絵莉花は必ず見つけ出す。どんなことをしても」


「だから私も協力して……」


 言いかけた言葉を遮られた。


「俺は絵莉花を探し出すことに集中する。だから美月は陽人のことに集中してほしい。実家のお母さんにも協力してもらって」


「そんな……」


 夫は、陽人の世話すらまともにできなくなっている私を、危ぶんでいるのだろう。やっと夫の言いたいことは理解したが、このままアメリカを離れることなどできるはずがない。
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