Devil's Night
「全てはおまえのためだった。僕が人を手にかけるのは、すべておまえのためだ。今までも、これからも」
「私のため?」
唐突に彼は、ゾクゾクするような笑みを浮かべた。
「けど、今度は美月にも少し変わってもらうことにした。自分の中の邪悪さや醜さを知れば、僕のことも受け入れられるはずだ。潔癖な美月。けど、お前ももう、大人だ」
ゴーストアパートで聞いた声がよみがえる。
『少しずつ汚して記憶を与える』
あれは私のことを言っていたのだろうか。
「理不尽に苦しめられる人間の心は傷つき、受け入れがたい絶望を経験する度に狂っていく。その時が一番、汚れやすい。人間は弱いものだからね」
そう言い残し、カイは去って行った。