Devil's Night
 
「気に入った?」


 夫がイタズラっぽい瞳で聞いてくる。


「ステキだけど……」

 
「けど?」


「専業主婦には贅沢すぎるわ。これから子どもたちにお金もかかるし……」


 私が買わない理由を全部言い終えないうちに、目の前に小さな箱が差し出された。


「実はもう買ったんだ」

 
「え?」


 びっくりして彼を見る。


「誕生日おめでとう」


 初めて会った時と変わらない爽やかな顔をして、ニコニコ笑っている夫。


 決して薄給ではないけれど、彼の自由になるお金の中から、かなり頑張って節約してくれたプレゼントだとわかる。


 夫は照れくさそうに
「家のこと、いつもありがとう。美月がいてくれるから、仕事に専念できるよ」
と、言ってくれた。


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