Devil's Night
 
「いやっ」


 体が動くようになった瞬間、目の前にいる男を突き飛ばして走り出していた。


 背後にいた男が行く手を阻む。


「逃げんなって。よけい、盛り上がっちゃうじゃん」


 目の前で笑う男に向かって、握りしめていたカバンを無我夢中で振り回した。


「うっ」


 参考書のつまった学生カバンが、男の顔面に当たる。


「ってぇ……」


 その隙に、顔を押さえてうずくまった男の横を走り抜けようとしたが、もうひとりの男にうしろから抱きつかれ、私は反射的に男の腕にかみついた。

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