落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
 いつもアイリスから魔伝言鳩を受け取るだけで、俺から連絡したのはアンディに研究所に来るように言われた時のみだ。
 近況が気になるなら、こちらから連絡してみるべきか?
 あまりにも不慣れなことで、どうするのが正解なのか皆目見当もつかない。

 そう言えばデービスは昨年結婚したばかりだ。俺よりも女性への扱いには長けてるだろう。こんなことを相談するのは気が引けるが、他に聞ける人物はいない。
 アンディは駄目だな。茶化してくるのが目に見えている。その点デービスは信頼が置ける。
 ……よし。
 俺はコホンと一つ咳払いをした。

「あー、デービスに私的な事で少々相談したいことがあるんだが……」

「えっ、自分に相談ですかっ? 何でしょうかっ?」

 デービスは一瞬目を見開いた後、ピシッと姿勢を正し神妙な面持ちで俺の言葉を待っている。

「えー、その……」

 俺は暫く逡巡していたが、覚悟を決め口を開いた。

「す、好いた女性に、好きになってもらうには……どうしたらいいんだ……?」

「へ……? 好いた女性……すかっ? ふ、副団長がぁっ?」

 デービスの野太い声が、執務室の外に漏れそうなほど響き渡る。

「お、おいっ、デービス、声がデカいっ」

 俺が怒ると、彼は慌てて自分の口を手で塞いだ。

「す、す、すいませんっ。いやぁ、だって、フォーレン副団長でしたら、存在してるだけで数多の女性に好かれるはずですよっ!」

「は? 言ってる意味が分からないが?」

「あ〜、ははっ、分からないならいいですっ」

 デービスは頭を掻いた後、腕を組み考え込んだ。

「うーん、そうですねっ。まずはデートとかに誘うのが一般的でしょうかね。例えば、観劇とかは?」

「観劇か……」

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