落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
 ずっと憧れていた純白の聖女服を纏い喜んだのも束の間、新米聖女兼次期大聖女として多忙な日々を送っている。

 今は大聖女様の自室にて神聖魔法について教わっていた。この後は夜会に向けてのマナーレッスンも控えている。

「では本日はここまでにしましょう」

「はい、ありがとうございました……」

 私はぐったりとしながらお辞儀をした。

「お疲れ様。あちらでお茶にしましょう」

 デスクからソファーの方に促されて移動すると、大聖女様はお手ずからお茶を用意してくれた。

「はい、どうぞ。今日のお菓子はキャロットケーキだそうですよ」

「わぁ、ありがとうございます!」

 勉強が終わった後のお茶の時間は楽しみ。ハンナさんが特別に作ってくれるお菓子も最高だ。キャロットケーキを喜んで頬張っていると、大聖女様は思い出したかのように言った。

「そろそろ夜会のパートナーを決めないといけませんね」

「パートナーですか?」

 パートナーって、確か男性の親族の人や、婚約者とかなんだっけ? 私には家族や婚約者はいないし、どうするんだろう。

 来月の王家主催の夜会は私のデビュタントになる。覚醒した真の聖女として、国王陛下や王妃殿下に謁見することになっていた。
 う、考えただけで胃が痛くなるわ……。

「貴方にこれが届いています」

 大聖女様はどこからか紙の束を持ってきて、テーブルにバサッと置いた。ぱっと見る限り二十枚以上はありそうだ。

「私にですか?」

「えぇ、釣書です」

「えっ、釣書!?」

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