落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「大丈夫か!?」

「は……い……、大丈夫……です……」

 心配そうに見つめるライオネル様を安心させようと微笑むが、悪化してきているような気がする。手の力が抜けてだらんと地面に落ちると、すかさずライオネル様が手を握ってくれた。

「冷たいな……」

 息苦しい……。空気がうまく吸えず、浅い呼吸を繰り返す。

「アイリス様、今一度回復魔法を……」

「シャーロット様が犯人なのではありませんか?」

 シャーロット様が言いかけた言葉を遮るような声がして、一斉に声の方を向いた。

 フェリシティ様……?

 バルコニーの入口に立っていたのは、淡いブルーのドレスを纏ったフェリシティ様だった。

「フェリシティ様、何をおっしゃってますの? 私が犯人とはどういうことですか?」

「それはそのままの意味です。アイリス様のお飲み物に毒でも盛ったのではなくて?」

「なっ! 私はそのようなことっ」

「神殿の者は皆知っているのですよ。今まで散々アイリス様に嫌がらせをしてきたことを。平民出身の彼女が次期大聖女になったのが我慢ならなかったのでしょ? 傲慢なあなたの考えそうなことですね」

「た、確かに嫌がらせしていたのは事実ですわ。しかし、私は改心しましたのよ。アイリス様にもっ、ゆ、許しを乞うたばかりでっ」

「そんなこと、誰が信じるというのですか?」

 シャーロット様は顔面蒼白して、ぶるぶると震え出した。
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