落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「ちょっ待って! 今聞いてるから! …………なるほど、そうか、わかった! どんな魔法にも、魔法の核があるんだ。そこを破壊すれば魔法は解かれるって」
「魔法の核……。呪死魔法の核は分かるか?」
「あ、調べてみるよ」
アイリスを床に横たえると、アンディが魔法を鑑定する魔術の呪文を唱える。金色の光が彼女を包み込む。
「出現せよ」
しかし、アイリスに呪死魔法の魔法陣は出現しなかった。
「あれ? おかしいな〜? 失敗した?」
彼女の様子を観察していると、僅かに口の中から光が漏れ出しているのに気付いた。
アイリスの唇を少し開けてみる。
「え、なにこれ〜? 口の中から魔法陣の光が!? どーゆーこと!?」
俺はそこで、はっと気付いた。さっきアイリスが飲んでいた飲み物が疑わしい。
「アンディ! あの床の液体を鑑定してくれ!」
「分かった!」
アンディが鑑定すると、液体から呪死魔法と思われる魔法陣が出現した。
やはり、そうだったか。アイリスがケーシー侯爵令嬢からグラスを渡され、バルコニーへ出ていくのは気付いていた。しかし、部外者の俺が口出しするわけにはいかないと、静観していたことを後悔する。まさか、ケーシー侯爵令嬢を利用して、仕掛けてくるとは思わなかった。
呪死魔法など特殊な魔法は人体にかかりづらい。しかも、真の聖女である彼女に確実に魔法をかける為に、体内から発動するようにしたのか。
それとも、飲み物を渡そうとしたケーシー侯爵令嬢に罪を擦り付ける為だったのか、フェリシティ嬢の意図は不明だ。
問題は体内にある魔法の核を、どうやって破壊すればいいのかってことだが……。
方法が分からず、頭を悩ませる。
「マジかよ〜。魔法の核を破壊しようにも、体の中じゃどうすることも……、あ、いや、方法は一つある!」
「な、何だ!?」
縋るような気持ちでアンディを見つめる。