落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「聖女殿、治療を」

「あ、は、はいっ。すみませんっ。こちらに横になってください」

 慌てて従騎士をベッドに寝かせる。

「今、治療できる者を呼んできますので、お待ちください」

 そう言って私は処置室を飛び出した。


 最近、北の国境近くで魔物が活発化しているらしい。大聖女様と数人の聖女たちは、魔物討伐をしている騎士団の魔物討伐部隊に同行していて不在だった。その間神殿は、留守を任された僅かな聖女と見習い聖女でどうにか回していた。

 私は治療を施すことはせず、手伝いをしている。回復魔法は使えるけど治せるのは擦り傷程度、他の見習い達の足元にも及ばないからだ。

 処置室の他の部屋でも聖女たちが治療を行っていて、手一杯の様子だった。

 今、手の空いている聖女は……。シャーロット様だわ……。仕方ない。呼んでこよう。


 神殿の裏手、聖女達の住む建物の横にあるティーサロンに向かった。頭上にキラキラと輝くシャンデリア、めまいがしそうなほど豪華な調度品の数々。

 最初は神殿にこんな場違いなティーサロンがあるなんて驚いたけど、聖女や見習い聖女のほとんどが貴族令嬢なのだから納得した。神殿はかなりの寄付を貰っているらしい。もちろん、私は使ったことないけどね。

 ティーサロンを覗くと、シャーロット様と取り巻きの二人がお茶を楽しんでいた。

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