手を握ってくれたあなたともう一度
するとリアラの体から黒い霧が立ち込める。
咄嗟の判断でゼスはリアラから距離をとった。

「みなさん、離れてください。
あの霧に触れたら命を吸い取られます」

どんどん黒い霧が濃くなっていく。

「ふぅっ、、!」

神父が力を込めたとき、黒い霧とリアラの体が離れた。

「ナチ!あとは頼みました!」

「はい!ロゼ様!」

もう一人いた女性はリアラに近付いた。

「心臓がとまってどのくらい経ちましたか!?」

急に声をかけられたゼスは驚きながらも「2~3分くらい」と答えた。

「わかりました。急ぎましょう。
私の力は蘇生です。心臓がとまって5分以内であれば助けることが出来ます。
時間が経てば経つほど効力は弱くなります」

ナチと呼ばれた女性はリアラの心臓の位置に両手を重ねる。
すると柔らかい光が灯った。

「力を発動させます。少しの間、私に時間をください」

理解したゼスはトルアを見た。
トルアも状況を理解しており「サザネには全て報告済みだ」と伝える。
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