手を握ってくれたあなたともう一度
「動きが速くなってきてる」

あれからしばらく攻撃を続けていたが、
黒いモヤの動きが速くなってきており、攻撃が当たらなくなってきていた。

「どうする？・・ってあぶな！」

考え事をしていたマヒリの横を黒い霧が通り過ぎて行った。

「当たると死ぬぞ、気を付けろ」

「ビックリした」

黒いモヤの周りに明らかに黒い霧が濃くはっきりと出てきているのが分かる。

「神父さんまだですか！」

「あと、もう少し・・ッ」

「なんとか耐えるぞ！」

黒い霧が神父の近くにいかないように気を配るが黒い霧の量も増えてきてしまい、このままだとリアラたちも危ない。

「ゼス、ヤバい。霧の量が！」

「くっそ・・・」

ゼスは黒いモヤを見上げる。
その時、黒いモヤが微かに笑ったような気がした。
その瞬間、黒い霧がものすごい速さで神父の元へと流れていく。

「ダメだ！！！」

ゼスの叫び声にマヒリも動くが間に合わない。
最悪の事態を想像した。
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