手を握ってくれたあなたともう一度
神父が目をぎゅっと瞑るのが見えた。
その瞬間、雷と炎が黒い霧を包みこむ。

「間に合ったか」
「あぶねぇ!!」

ボロボロになったサザネを支えながらミツノが現れた。

「ミツノ!サザネ!」

「遅くなった!妖怪たちはもういない!今から俺たちも手伝う!」

「サザネはトルアたちの元へ行け」

「いや、いい。俺も戦う」

サザネは力強い視線でゼスを見る。

「わかった、無理はするなよ」

その言葉と同時に「みなさん!魔法を放ちます!黒いモヤの動きを封じてください!」神父の叫び声が聞こえた。

「お前ら!行くぞ!これで最後だ!!」

ゼス、マヒリが先陣を切って黒いモヤに突っ込んでいく。
その背後からミツノ、サザネが魔法を発動。

黒い霧を避けながらだんだんと追い込んでいく。

「一気に畳みかけろ!」

ゼスはミツノ、サザネにそう告げると
2人は今あるありったけの魔力を魔法に込め、発動した。

「っ!」

その威力に押されたのか一瞬、黒いモヤの動きが鈍った。
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