一夜から始まる、不器用な魔術師の溺愛
「いい反応だ……もっと感じていい。」

抗うこともできず、ただ燃えるように体が震えた。

そして——ロイの熱がゆっくりと、私の中に入ってくる。

「っ……あああっ……!」

痛みと甘さが一気に押し寄せ、涙がにじむ。

ロイは小さく息を詰め、私を抱きしめるように支えながら、低く囁いた。

「……大丈夫。離れない。」

ロイが腰を動かすたび、快感の波が押し寄せてきて、私は声を抑えられなかった。

「ああ……ロイ……っ」

「いいんだよ。もっと俺を感じて。」

「んんっ……ああっ、ああん……!」

シーツを鷲掴みにしながら、体が小刻みに震える。

「いいね。やっぱり、媚薬を使ってよかった。」

「え……?」

戸惑う私の頬を、ロイがぺろりと舐める。

「初めては痛いっていうからさ。……少しでも痛くならないように、使ったんだよ。」

その言葉に、胸がきゅっと熱くなる。
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