一夜から始まる、不器用な魔術師の溺愛
バスタオルを剥がされた瞬間、思わず両腕で身体を隠した。

けれどロイはそんな私を面白そうに見つめ、ゆっくりと髪を撫でる。

「大丈夫。怖がらなくていい。」

その声があまりに優しくて、胸が震えた。

初めて知る熱と、知らない自分に出会う夜が、始まろうとしていた。

「……綺麗だ。」

低く囁いた声と共に、ロイの舌が胸元に触れる。

「ああ……っ」

思わず声が漏れると、彼はくすりと笑った。

「甘い声。もっと聞かせて。」

敏感な場所に指先が触れるたび、体が小さく跳ねる。

「ああん……やぁ……っ」

その時、不意に彼の唇が重なり、舌先にひんやりとした何かが押し込まれた。

「……何?」

戸惑う私に、口移しで広がる甘苦い感触。

「媚薬だよ。」

「えっ……!」

驚く間もなく、胸の奥がじんわりと熱を帯びていく。

頬が紅潮し、呼吸が乱れる。

「んん……っ、やだ……熱い……」
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