鳥籠の中


「どの口が言うの。あんたは私を監禁してるくせに……」


「やだなぁ、これは監禁なんかじゃないよ。だって、僕達は愛し合ってるじゃない」


時雨はそう言って、意味の分からないことをほざく始末。


いつから時雨はこんな男になったの……


それとも、最初からこうだった……?


私が騙されただけ……?


「ね、今何考えてるの?初奈。僕以外のことを思い浮かべていたとしたら、そいつのことを殺したくなっちゃうんだけど」


「はっ、安心してよ。あんたのことだから」


「えっ、僕のことを考えてくれてるの?嬉しいなぁ」


今度は幸せそうな笑みを浮かべている時雨。


時雨の重く、気持ち悪いとさえ感じてしまう愛を私に向けられていると思うと嫌気がさす。


本当に辞めてほしいんだけど……


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