私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
「でも、肝心の本人たちが見当たらないんだよ?」
「本番まで時間もないし、生放送なんだから……」
「そこをなんとか、お願いします‼」

 私は深く頭を下げた。ディレクターさんの「あのねえ……!」という鋭い声が響いたそのとき。

「いいじゃないか」

 突然、この場に優しい声が聞こえた。
 顔を上げると、この音楽番組のプロデューサーさんが、穏やかに微笑んでいた。

「僕はstarixの4人と、何度も一緒に仕事をしてきたからわかるんだ。あんなに真剣にアイドルをやっている子たちが、無責任に逃げ出すなんて思えない、ってね」
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