私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
 3年前の誘拐未遂事件が頭をよぎって、ぞわっと冷たいものが背筋を走っていく。
 もし、瑞稀くんがあのときみたいな事件に巻き込まれていたらどうしよう……。
 最悪な想像ばかりが頭の中を駆けめぐって、涙がこぼれ落ちそうになった。
 でも、今は泣いている場合じゃない。早く瑞稀くんを探さなきゃ!
 私は手の甲でごしごしと涙を拭って、急いでstarixの部屋を飛び出した。
 外に出て、男子寮や校舎の周り、グラウンドや中庭も捜索した。
 でも、瑞稀くんらしき人影はどこにもいなかった。
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