私、男の子マネージャーになって、推しアイドルをお守りしますっ!
「どうしよう。このままじゃ……」

 今度こそ、本当に瑞稀くんが危ないかもしれない。
 これ以上探しても見つからなかったら、私、初日にして護衛失格だ……。
 暗闇の中、一人ぼっちで途方に暮れていたそのとき。
 どこかから、キュッキュッという何かがこすれる音が聞こえてきた。
 同時に、今日のレッスンのときに使った曲も一緒に流れてくる。
 私は耳をそばだてながら、音が聞こえる方向を探した。
 どうやら2つの音は、レッスン棟にあるダンス室から聞こえてくるみたい。
 もしかして、そこに誰かいるのかな……?
 おそるおそるダンス室のドアを開けて、中をのぞいたその瞬間。私は思わず息をのんだ。

「みっ……、瑞稀くんっ……!」
< 61 / 215 >

この作品をシェア

pagetop