天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
「もう! 大丈夫じゃありません!!」
涙目で抗議する。
シオン様はそれを見て狼狽える。
「……!? いや、私がなにかしたか?」
「格好良すぎるんです! 自覚してください!! 『私の妻』とか言われたら嬉しくなっちゃうでしょう? どうしたらいいかわからないでしょう??」
ぶち切れる私を見てシオン様は目を丸くし、噴き出した。
「そ、そうか。それはすまなかった……っ」
謝罪の言葉を発しながらも笑っているシオン様。
「ぜんぜん反省してないですね?」
「いや、私の妻は可愛らしいなと……」
「ほら! また!!」
怒り狂う私を見て、研究者たちは呆気にとられている。
シオン様は私の背を抱きつつ、研究者たちに振り返った。
「では、また。研究の相談はさせていただけるとありがたいです」
シオン様はそう言うと私と一緒に講堂をあとにした。