天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~
「……そうか。わかった。子供たちには罪はない。魔塔は研究室の閉鎖だけでかまわない。どのみち、研究員はシオンだけなのだろう? シオンさえ魔塔に入らなければ問題なかろう」
「国王陛下! それはあまりにも甘い!」
口を挟んだのはオリバーだ。
国王陛下はオリバーを睨んだ。
「そう思うなら孤児の受け入れ先をおぬしが紹介してやればよい。モーリオン男爵家で預かってくれるか?」
国王の言葉にオリバーは口を閉ざす。
ローレンス殿下と神官は気まずそうに目を逸らした。
(ああ、本当に嫌になる……。子供が可哀想だと思うなら、神殿や王宮で一時的にでも受け入れてくれたっていいものを)
私は情けなくて笑えてくる。
私は顔を上げ、国王陛下の前からさがる。
謁見の間を出ると窓越しにカラスが飛び立っていくのが見えた。
私は深呼吸をして、魔塔へと急ぎ戻ることにした。