大好きな旦那様が見えなくなってから、本当の夫婦になるまで

 この世界の人々はみな多かれ少なかれ、胸の奥に《魔法の種子(祝福)》だけではなく《赤い果実(呪詛)》の欠片が存在しており、呪いの発動条件が感情の大きな揺らぎとなっている。
 多感な時期であれば感情の制御が難しく、魔力を暴走させてしまう生徒が多い。

 王侯貴族に魔力量が高い者が多いのは、花女神の《赤い果実》を口にした子孫たちだからだ。もっとも花女神の力を強奪したなどの事実は、隠蔽して(かた)られている。
 それらのことを思い出し、今回の異常の原因を《赤い果実》の影響あるいは、副作用と推測に至ったのだろう。

「私は転生したときから魔力がないイコール《魔法の種子(祝福)》と《赤い果実(呪詛)》そのものがないと思っていたけれど《他者の魔力を吸収する魔法》という《新しい魔法》のカテゴリーに入るのなら、死の満開(デス・フルブルーム)の副作用、あるいは前兆の可能性もあるかもしれませんね」

 暢気に旦那様との生活を楽しんでいる状況じゃないのかもしれない。楽観視していた気持ちを引き締める。二人が指摘してくれなかったら、気付くまでにきっと時間がかかっていただろう。

「私、ここに来るまでに考えたんだけど、シャルが氷の公爵(ベルナルド)のことを好きだからこそ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」
「え」
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