大好きな旦那様が見えなくなってから、本当の夫婦になるまで
「……寂しかった。旦那様に会えないのも、アイリスやベアトと中々話ができないことも……本当は、とても寂しくて辛かったの……」
堰を切ったように零れ出した本音。
詰め込んでいた感情が溢れ出して止まらない。旦那様を追いかけていたときは毎日が楽しくて、ちょっとずつ歩み寄れた感じがすごく楽しかったのに、何が変わってしまったのだろう。
あの時よりも、旦那様との関係は親しいものになったのに。たぶん欲張りになっていたのだろう。
花女神に近づこうとして《赤い果実》を口にしてしまったように「もっと、もっと」と思ってしまったのかもしれない。
「夫婦なんだから、不平不満を夫にぶつけ合うのは有りじゃない」
「そうよ、シャルは遠慮しすぎるから、あの鉄面皮が調子に乗るんだわ!」
「……そうかな?」
「「そうよ!!」」
ベアトとアイリスの息ぴったりな言葉に、少しだけ気持ちが楽になった。
私の推しは攻略キャラではないので、ベルナルド様が出てくるシーンを見逃さないように全キャラコンプして、それからファンブックを読み込んだことで培われた知識だったりする。
ベルナルド様はこの世界で誰も信用できず、国のために個の感情を押し殺した孤高の貴公子。画面越しで見る度に不憫で、苦しくて、少しでもその悲しみやつらさが緩和できればと、そうずっと思っていた。
「……ベルナルド様は、ずっと裏切りと嘘の中で生きていた人だから、幼少時代は辛い思いをしていたの。だから一人ぐらい心から信じられる人がいるんだよ、って伝えたくて頑張りすぎたのかも」
「ちょ、そういう過去エピは私に効く! 泣いちゃいますわ」
「ベアト……本当にそういうのに弱いのね。はい、ハンカチ」
「うう……ありがとう」
(ふふっ、なんだか三年前に戻ったみたい……)