大好きな旦那様が見えなくなってから、本当の夫婦になるまで
大丈夫?
全然大丈夫じゃない。私が上手く立ち回っていたらこうはならなかった。親友を巻き込んで、愛しい人に嫌な役を押しつける。そんな自分が――許せない。
許せるはずがない。
「今度はちゃんと、お前の思いに応えてみせる。だから――、どうか、待っていてくれ」
それは幻聴だったのか、あるいは私に都合のいい夢だったのか。
私は言葉を絞り出す。これ以上、ベルナルド様の足を引っ張るのはダメだ。私が自分の思いを優先しなければ、彼を愛さなければ――よかった。
私の大好きな人たちが辛い思いをして、死んでしまうのなら私は自分の恋を諦めよう。
自分の役割を全うしてアイリスや、ベアトの幸福を見届けて――この恋を秘めたまま、伝えなければきっと未来は大きく変わったはずなのだ。
私が自分の幸せを優先したから親友を失い、大切な人に大きな傷を残してしまった。もし時が巻き戻せるのなら、そう考えて私は口元を緩めた。
ここは現実で、ゲームとは異なる。
あと数秒で死に逝くのに、何ができるだろうか。
ベルナルド様に何を残せるだろうか。
ベルナルド様のことを忘れない。ああ、自分でも重いと思う。
ちがう、そうじゃなくて……。
(ああ、考えがまとまらない……。何も……残せなかった)
「――っ、――」
唇が温かい。これはキス?
確かめようにも瞼は重くて開かない。
私の意識はそこで途切れた。
GAME OVER.
BAD END?
NO.
The end of the beginning……?