僕の愛しい泥棒娘
そう言うとユミアはきっと顔を上げてアウス
レッドを真正面から見つめた。
ユミアは亜麻色の髪を昨日の夜の様に後ろで
一本に編み込んでまとめている。
横顔しか昨夜は見えなかったのだが、昼間初
めて正面から見て受けた印象は変わらなかっ
た。
凛とした心に1本筋の通った美しい女性だ。
瞳は濃い琥珀色でその心根を移す様に澄ん
で曇りのない光を放っていた。
公爵家に侵入して多分盗みを働いたのだろう
がそれを悪いとも恥じるべき事だとも思って
いないのだろう堂々として、目の前に座って
いる彼女を見て畏敬の念を抱いてしまいそう
だ。
大きくて琥珀色の瞳が今アウスレッドを射殺
しそうに強い光をたたえて見つめている。
「アウスレッドと呼んでくれ。君はユミアで
良いね。」
「はい、結構です。それでアウスレッド様
私に頼みたい仕事とは?」
「うん、その前に僕は君の弱みを握っている
が、君が僕について何も知らないのは不公平
だから、僕も君に秘密を明かそうと思う。
その上で君に頼みたい事を判断してくれれば
いいと思っている」
ユミアは何とも清廉潔白な貴族の坊ちゃんだ
と感心する。
こっちの秘密を握っているんだからやらせた
い事をさっさと言ってしまえばいいのにと内
心思うも黙っていた。
アウスレッドは、ダミアサール家の家宝で王
家からの預かり物であるテイアラが、何者か
に盗まれたこと、それを指示したのはワイナ
リー公爵家だと確信している事、あと13日
以内に取り返さなければ大変な事態になる。
ダミアサール公爵家は取り潰しで酷ければ国
外追放になるだろうと言った。
レッドを真正面から見つめた。
ユミアは亜麻色の髪を昨日の夜の様に後ろで
一本に編み込んでまとめている。
横顔しか昨夜は見えなかったのだが、昼間初
めて正面から見て受けた印象は変わらなかっ
た。
凛とした心に1本筋の通った美しい女性だ。
瞳は濃い琥珀色でその心根を移す様に澄ん
で曇りのない光を放っていた。
公爵家に侵入して多分盗みを働いたのだろう
がそれを悪いとも恥じるべき事だとも思って
いないのだろう堂々として、目の前に座って
いる彼女を見て畏敬の念を抱いてしまいそう
だ。
大きくて琥珀色の瞳が今アウスレッドを射殺
しそうに強い光をたたえて見つめている。
「アウスレッドと呼んでくれ。君はユミアで
良いね。」
「はい、結構です。それでアウスレッド様
私に頼みたい仕事とは?」
「うん、その前に僕は君の弱みを握っている
が、君が僕について何も知らないのは不公平
だから、僕も君に秘密を明かそうと思う。
その上で君に頼みたい事を判断してくれれば
いいと思っている」
ユミアは何とも清廉潔白な貴族の坊ちゃんだ
と感心する。
こっちの秘密を握っているんだからやらせた
い事をさっさと言ってしまえばいいのにと内
心思うも黙っていた。
アウスレッドは、ダミアサール家の家宝で王
家からの預かり物であるテイアラが、何者か
に盗まれたこと、それを指示したのはワイナ
リー公爵家だと確信している事、あと13日
以内に取り返さなければ大変な事態になる。
ダミアサール公爵家は取り潰しで酷ければ国
外追放になるだろうと言った。