僕の愛しい泥棒娘
「ほんと、さっきまで静かだったのよ。
リーヌが来てくれたから安心したのね。
こんなに夜遅くにごめんね。ありがとう。
信頼していた侍女だったから、余計に取り
乱してしまったの」

「気持はわかるわ。でも今日はもう考える
のを止めて寝た方がいいわ。国王は執務室
に行かれたの?」

「うん、リーヌが来てくれるからもう大丈
夫だと言って宰相と協議に行ったわ」

「そう、アウスレッドも招集されてるから
皆で朝まで協議よね。私たちは先に寝まし
ょう。私も今日は泊っていくね。
久しぶりに二人で一緒のベッドに寝ましょ
うよ。学生時代に返ったようね、うふふ」

「リーヌったら、でも本当ね。何年振りかし
ら二人でベッドに寝るなんて、リーヌ寝相悪
いからお腹蹴らないでよ、あはは」

「失礼ね、寝相が悪いのはアンの方じゃない
いつだったか私ベッドから転げ落ちたよね」

「そうそう、でもあれはリーヌがゴロゴロ端
に転がっていったからよ」

「えっ、違うわよ。その証拠にアンは堂々と
ベッドの真ん中で大の字に寝てたじゃない」

「あれそうだった?でもあれは8歳位の時だ
よね」

「そうね、じゃあもう30年以上も前の話ね。
楽しかったわね。あの頃は何の心配もなくて
主人が王太子を降りてしまってバンが王様に
なったからアンも王妃になってこんな事にな
っているのよね。ごめんね、ホントにあの人
は全く周りが見えていない時があるのよ」
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